宮古島はこんな島⑩

ハーリー 宮古島のこと

沖縄では旧暦の5 月4 日を「ユッカヌヒー」(四日の日)と呼び、海の神様に祈りを捧げ、豊漁を祈願する沖縄の伝統行事を行う特別な日です。今年のユッカヌヒーは6 月21 日水曜日です。
(写真は宮古日報からお借りしました)

「ハーリー」という言葉を耳にしたことのある方も多いと思います。
ハーリーとは「爬龍」と書きます。
ハーリーは、航海の安全と豊漁を祈願して競漕する沖縄の伝統行事であり、海神祭とも呼ばれ、ユッカヌヒーに行われる行事のひとつです。
もともと競漕に使われる船は、船頭に竜の頭、船尾に竜の尻尾で飾られた爬龍船(はりゅうせん)で総勢42 名が乗り組む大型船でしたが、宮古島ではサバニ(鱶舟)と呼ばれる小型の木造漁船が使われます。

宮古島のハーリーは1895 年から始まりました。本島の糸満の漁師たちがユッカヌヒーまでに地元に戻れず、代わりに宮古島でハーリーを行ったことから宮古島にも定着したといわれています。
今年のユッカヌヒーは6 月21 日水曜日です。宮古島の各漁港によってもハーリーの催し内容は様々ですが、最も重要なのは「御願ハーリー」で海神に感謝し、豊漁や航海の安全を祈り、歌を歌いながら競漕せずにゆっくりと漁港を回ります。漁船で大漁旗を掲げるところもあります。
そして「アガリハーリー」、競漕です。青年会、老人会、地元の会社、小中学校などのメンバーがサバニに乗って熱い戦いを繰り広げます。

また、ユッカヌヒーは、戦前まで「沖縄の子どもの日」と呼ばれ、港近くに玩具市が開かれるなど、子どもたちの健やかな成長を願ってお菓子やごちそうを振る舞い、新しい玩具を買い与えるという風習がありました。
今も地域によっては、ハーリーの終わりに船上から子どもたちへお菓子やパイナップルなどが投げ入れられます。
また、各家庭では家や家庭の守神とされるヒヌカンやご先祖様に手を合わせ、子どもの成長を報告し、「ちんびん」と「ぽーぽー」などのお菓子を供えます。
どちらも小麦粉を水で溶いたものを薄く焼き、くるくると筒状に巻いたお菓子でクレープのようです。
ちんびんは黒糖をいれて焼き、ぽーぽーは黒糖を使わず油味噌を塗って巻いたものです。見た目は似ていますが、味は全く違う昔ながらの素朴なお菓子です。

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