宮古島農家が熱く語るアロエベラ栽培

宮古島のアロエベラを栽培している農家の方の農業にかける想いです。
宮古島のため、アロエベラのため、農業のために。

宮古島のアロエベラ農業について語る

アロエベラ農家の仲宗根さん

アロエベラ農家の仲宗根さん

アロエベラをはじめとした島野菜を栽培する宮古島の農業。

宮古島農業を支援するため、沖縄県の第三セクターとして平成11年に「コーラル・ベジタブル株式会社」が創立されました。

そのコーラル・ベジタブルの社員であり、かつ宮古島農家である仲宗根さんに話をうかがいました。

どうやって栽培しているのですか?

宮古島の平均気温は23度、年間を通じて気温10度を下回ることがめったにありません。だから、宮古島はアロエベラを露地で栽培できる理想的な場所です。

アロエベラの子株

アロエベラの子株

アロエベラはゼリー質が多いために寒さに弱く、内地の気候だと凍ってしまい冬を越せないんです。

アロエベラは、種ではなく株分けにて増えます。

アロエベラが発育して1年もすると根元から子株が出てきます。

その子株は生長が早く、放っておくと親株の生長に支障がでてしまうので、できるだけ早く別の場所に植え替え、比較的大きくなるまで育てます。

子株を1年ぐらい栽培し、大きくなったら、親株と同じようにウネに植え替えます。

そして適度な肥料と水を与えながら、さらに1〜2年間ほど外側の葉が70〜80cmぐらいに大きくなるぐらいまで育てます。

1番外側の葉が重さで花が咲くように開いたら収穫します。

農薬は使ってますか?

アロエベラは害虫に強く、農薬も必要としません。だから畑にはムカデもミミズもいるし、小さな虫達が飛び跳ねています。特にクモが多くて、アロエベラの株はクモの巣がよく張りめぐっています。

アロエベラ畑の虫

アロエベラ畑の虫

どんな肥料を与えているのですか?

肥料は特別なものは使用せず、昔ながらの鶏糞や牛糞を堆肥として与えています。

もちろん化学肥料などは使いません。そんなものを使ったら何の意味もなくなってしまいます。

前に他の地域のアロエベラを見に行ったことがあり、そこで見たアロエはすごかったですね。大きくて1メートル以上あったんです。それでその農家の方にどれくらいの期間栽培したのかをきいたら、なんと半年ですって。僕たちが宮古でそれだけの大きさまで育てるには、少なくとも2年以上はかかるというのに。

化学肥料などを使えば、短期間に多くの収穫を得ることができるのは知っていますが、 そんなものには関心がありません。僕らが目指しているものはそんな農業ではありません。

アロエベラ栽培で一番気をつけていることは何ですか?

アロエベラの栽培に除草剤などの薬品も一切使いません。だから毎日が雑草との戦いです。

アロエベラの肥料

土壌に埋まる堆肥

目を離すと雑草はすぐに背丈ほどまで草が伸びてきてしまいます。夏なんて大変です。1週間怠けると草でアロエが見えなくなります。そうすると太陽がアロエに当たらず、ひょろひょろになってしまい、アロエベラが太く肉厚にならないのです。

また、伸びきった草を刈ったあと、草の覆いがとれて、アロエはまるで裸になったみたいになるのですが、そこへ宮古の強い日差しが照りつけると、葉全体が火焼けたように赤くなってしまいます。そうなると売り物にならなくなってしまうので、やはりこまめな草刈が必要となってくるわけです。

ただ、この草刈が非常に手間のかかる作業なんです。機械が入れるスペースがない畑が多いので、ほとんど全てが手作業になります。

マルチ(マルチフィルム)をウネにかぶせて、雑草が生えてこないようにすることも考えましたが、安いものだと、すぐボロボロになってしまうので、比較的高価で丈夫なマルチが必要になります。

その上2〜3年かけて栽培するために、肥料をこまめに追加してやる必要があり、そのつどマルチを破って行わなければなりません。

また、葉を外側から刈っていくと株の下の方が細い茎のようになってしまい、安定しなくなってしまうので、土を盛って安定させてやらないといけないので、またマルチを破らなければなりません。

手間もかかるし、費用もかかってしまうので、マルチは十分有効な雑草対策とはいえません。

アロエベラと芋

アロエベラと芋の栽培
雑草対策に試行錯誤

多くの農家の方が高齢の方ですから、草刈は非常に重労働です。でも、80を超えた農家のおばあちゃんが、「大丈夫、楽しいよ」っていってくれるのがせめてもの救いです。

月に何度も農家の方々と、雑草対策について話をしています。そして試行錯誤をしながら、アロエベラを栽培しています。

ある農家の方は、アロエベラ畑に芋を一緒に植えることで、地表につるを這わせて雑草を生やさないようにしたり、同じように豆を植えてみたりして、いろいろ試しています。

有機JASは?

アロエベラ畑

収穫の打ち合わせをする
仲宗根さんと根間さん

有機JASマークは数年前に20件以上の農家が取得しました。僕が運営する畑も取得しました。

しかし、 有機JASマークは年更新制であり、取得費用が本当に馬鹿になりません。検査員の方の旅費も含め取得にかかる費用は全て各農家が負担しなくてはなりません。

だけども、それだけの費用を投じても島野菜が広く認知されることはありませんでした。

だから、年々有機認証を取得する農家は減り、今ではほんの数件の農家が取得しているだけです。

有機JASも、先程話しましたマルチのこともそうですが、費用がかさむと作物の価格に反映させなくてはならないし、農家にも潤いがなくなって寂れてしまいます。

自分達は胸を張って有機無農薬栽培を行い、品質の高い作物を提供していると自負しています。

そういう僕たち農家と僕たちが育て上げた作物を理解していただくことができるのならば、有機JASの取得はそれほど重要ではありません。

ほかに何か工夫はしていますか?

アロエベラの土壌

この土に多くの微生物が生きている

EM(有用微生物郡)培養してアロエベラ畑に散布しています。EMとは琉球大学の教授が開発した、安全性が確認されている酵母菌や乳酸菌など、食品加工などに使われる微生物の集まりです。

このEMを土に混ぜることにより、土に含まれる有機物の分解を促し、その栄養分を通常よりもアロエベラに吸収させやすくすることができます。

このEMは黒蜜を1週間ほど発酵させ、水で1000倍ほどに薄めて使用します。このとき水道水を使うとカルキでEMの微生物が死んでしまうので、地下水をくみ上げて使用しています。

最近は植物だけでなく、ペットの健康のために飲み水などに混ぜて使う方もいらっしゃいます。

今後の展望を教えてください

アロエベラを含めた宮古島の島野菜を多く作っていきたいと思います。

安全、安心なゴーヤや島らっきょ、ヨモギなど、この地域ならではの作物を多く作り、消費者の方に喜んでもらいたいです。またそれが島の農家に潤いを与え、活性化に繋がると考えています。

観光だけでなく、農業によって僕らは宮古島を支えていきたいと考えています。